|畳の持つ特性|畳の部屋が落ち着く理由|熊本のいぐさ|畳表ができるまで|畳のお手入れ法|
畳は世界一の厚みとクッションを誇ります。 基準厚みが55mmの関西間と60mmの関東間に代表され、材料の折り重ねられた空気層が豊富に含まれるため、身体にやさしい最高のクッション性を兼ね備えた敷物です。
吸湿性
放湿性
断熱性
自己消火性
難燃性
互換性
- 強い衝撃音や耳ざわりなきしみやこすれる音を吸収してしまい、ほとんど伝導しないため静かで優しい空間を作り出します。
- 畳の寸法が2対1の長方形であるため、目映りが平面を見通した場合に黄金率に近い形に見える美しさです。
- 人の目に一番優しい色合いは中間色系であり、特に日本人は肌の色である黄色っぽさに薄茶色が最も気持ちが落ち着きます。
- 畳の香りには鎮静効果があり、森林浴が部屋の中でできる敷物であり空気中の二酸化炭素を還元して一酸化炭素の浄化する作用があります。
畳表の原料となる「いぐさ」の生産量は熊本県が全国1位で国内生産量の約95%に及びます。熊本産のいぐさは、土づくりからこだわって生産されており、美しい光沢と香りが特長です。
8月頃に、稲と同じように水田苗床へ植付けし、11月下旬には植付け株用に根切り・株分けを行います。
12月に植付けを行ったいぐさは、5月頃いぐさの先端を刈り取り根元まで日光が当たるように調整を行います。
(※新芽の発芽を促進し、芽の長い高品質ないぐさの生産が可能)
収穫は、6月下旬から7月中旬の気温が高くない早朝や夕方に刈り取りを行います。
刈り取ったいぐさはヒモで束ね、勢いよく振って寸の短いいぐさを振り落とします。
この作業を「すぐり」といいます。
いぐさ独特の「色」と「香り」と「光沢」を持たせるため、天然染土を使って「泥染め」にします。
着色剤を使用しない天然染土だから、人にやさしく安心・安全です。
使用する泥の配合によって乾燥時の出来が違ってきます。
この泥の配合は各農家の秘伝であり、乾燥時の良し悪しが直接買い手の評価につながります。
苗床に植えられた苗を掘り出して、植え付け用に根きりや株分けの作業をします。
12月上旬、株分けした苗をいぐさ移植機で本田に植え付けていきます。
5月になると先端部分を刈り取り、根元まで日が当たるようにして肥料をやります。
6月下旬、気温の高くない早朝や夕方に成育のよい充実したいぐさを刈り取っていきます。
いぐさ独特の色、香り、光沢を出すため、刈り取ったその日に天然泥土で泥染めし、乾燥させます。
いぐさは長さや太さで選別し、一枚一枚丁寧に織り上げられます。
織り傷などのチェックを行い、生産者番号を表示して全国に出荷します。
ご使用前の注意
新しい畳表(イ草)には、変色を防ぐために、白土による泥染め加工が施してります。(カビ・汚れではありません)。
ご使用になられる前に必ず乾いたタオル等で、衣服等につかなくなるまでから拭きをしてください。
※洗剤・化学薬品等の使用、及び水拭きは行わないでください。畳が変色する場合があります。新しい畳表には、時に折り目が目につきますが、地厚なものほど出がちです。又、施工上、小さな鍵穴が残る場合もありますが、これらの折り目や鍵穴はイ草に空気が通る事により自然に消えます。
施工上、まれに畳表がふくらむことがありますが、(裏返しの場合に多い)自然にもどります。
畳表や畳べりは、並び方により光の受け方がかわると色が違うように見える事があります。
必ず守ってください
畳の上の、じゅうたんやカーペットの重ね敷きは避けましょう。 ホコリがたまりやすくダニが発生しやすくなります。
晴天の日には、こまめに窓を開けて室内に風を通してください。
室内に空気が滞留しますと畳が湿気を吸収して湿度が30%も上昇し、畳にカビが発生したりダニや虫が出たりする場合があります。畳に水分は、禁物です。
水分を多く含んだ雑巾での拭き掃除は止めてください。また加湿器等の過剰使用は避けてください。掃除はこまめにしてください。畳が長持ちしますし、ダニの発生を予防します。
畳の上で犬、猫等のペットを飼うことや、植物等をおくことは避けてください。ダニやカビ、その他の害虫の発生要因になることがありますので特に注意してください。
畳の上に、灯油などの石油類や薬品類をこぼした場合、畳が変形する場合がありますので、十分ご注意ください。
日頃のお手入れ
- お掃除
- 掃除機は、畳の目にそって静かにゆっくりとかけましょう。
雑巾がけはから拭きが原則。どうしても汚れがとれないときは、固く絞った雑巾を使ってください。 - 畳干し
- 現在は、干す場所等の問題もありほとんど行われることはありません。
昔は定期的に畳をあげて干すことが習慣としてありました。
方法としては、晴天の日に畳の裏をお日様に向けて、4〜5時間干し、よくホコリをたたき出して下さい。
畳干しで畳をあげるときには、必ず目印をつけておいてください。場所や向きが変わると畳がはいりませんのでご注意下さい。 干す場所がない場合は、空き缶などで畳を少し床から離して数時間持ち上げておくだけでも風通しがよくなります。
春と秋の年2回、畳を干すのが良いとされています。 - 換気
- 最近の住宅は気密性と保湿性が高く、畳に湿気がたまりやすいようです。
晴れた日に、こまめな換気を心がけてください。梅雨時などには、除湿機で湿気をとるのも効果的です。
カビとダニの予防
日本の家屋は木造で、自然通風もできてカビやダニの増殖はなかったはずなのです。しかし近年、アルミサッシ窓の使用等によって住宅の気密性と保湿性が高まったことや、
核家族で共働きなどにより室内密閉時間が増えた事で、カビ・ダニの問題がクローズアップされています。
どちらも発生させないための心がけが大切です。
- カビの予防
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第一には、風通しをよくすること。つまり畳を湿気させないことです。湿度の高い時期には、除湿機で湿気をとるのもたいへん効果的です。
第二には、こまめに掃除をすることです。また、どうしてもカビがはえるときは、畳表用の防カビ剤を使う方法もあります。 - カビがはえてしまった時
- 畳を上げて裏を十分に日光に干します。
表も陰干しにして表面のカビを乾燥させてブラシでていねいにカビを取り除きます。その後、畳の目にそって何度も掃除機をかけます。
もうひとつは、消毒用アルコールで除去する方法です。
まず、窓を開けて換気を十分にした上で、アルコールをきれいな布に染み込ませて拭き取ります。あとは、十分に風を通します。 - ダニの予防
- ダニの繁殖する条件として、次の3つがあります。
適度な温度(20℃〜30℃)と湿度(60%〜80%)があること
餌(カビ・フケ・アカ・食べこぼしetc)が豊富にあること
産卵場所があること
つまり、除湿…室内に風を通すか、除湿機を使う
掃除…こまめに掃除機をかける、1m2あたり3分以上、朝夕2回掃除
カビの予防
産卵場所をなくす
- 畳の上にじゅうたんを敷かない
- 畳床を化学製品にする
- 防虫紙を使う
※注 防虫紙による予防は効果的ですが、あくまで薬品を使用しているので、小さなお子様等には注意してください。
ダニはどの家庭にも生息しています。とにかく、増やさないように心がけることが一番の方法です。
新製品紹介
畳のダニ・カビ対策として、新素材による畳が色々と開発されています。
例えば、セキスイ表美草等の畳表や、サンシルキー畳床やプラパール畳床等の床材です。
アレルギー性のぜんそく等でお困りのご家庭におすすめします。
一度ご相談ください。
畳替えの段階と時期
- 裏返し
- 現在お使いの畳表(ござ部分)を剥してひっくり返し、裏面を表面にして再度縫付けていきます。
畳縁は新しい縁を縫付けますので施工前と違う色柄に変えれば新しい雰囲気を楽しめます。
【チェックポイント】
裏返しは一枚の畳表を永い月日で使っていただくための対応ですので傷んだから裏返すのではなく3年〜5年(畳表の種類にもよります。) で状態をチェックすることをお勧めします。
※傷みが進行しすぎたりジュースや水など染込むような物をこぼした場合は裏返しは難しくなります。 - 表替え
- 現在お使いの畳表(ござ部分)を処分して新しい畳表と畳縁を縫付けていきます。
【チェックポイント】
畳表がささくれて衣類に付着したり、ジュースや水など染込むような物をこぼしてしまった!穴があく様な傷をつけた時、また永い月日 が経ち畳の機能も低下しリフレッシュしたい時などにも表替えするとよいでしょう。 - 新調
- 傷んだ畳を処分し、新しい畳表・畳縁・畳床の部材を組合わせて新しい畳を製作します。お部屋に隙間無く敷詰める際には、全てオー
ダーメイドでの作業になります。
【チェックポイント】
畳表の傷みは表替えの見方と変わりませんが、畳床に寿命がきているかどうかチェックが必要です。畳の表面からチェックできるとすれば 、畳が本来の厚みより潰れて薄くなっていたり、歩いた時にでこぼこ感やぶかぶかする様な柔らかくなっている感触や大きな隙間があることです。 一度畳を上げてみると畳床が柔らかくなっていたり、腐っていたり、シロアリに食われているなど明確にチェックできます。 - 畳のサイズ
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名称 概要 京間 (本間間 )95.5×191.0×5.5cm
主に近畿・中国・四国・九州で使用中京間 (三六間 )91.0×182.0×5.5cm
主に愛知・岐阜・三重で使用関東間 (五八間 )
江戸間間 ・田舎間 とも88.0×176.0×5.5(または6.0)cm
主に静岡以北で使用団地間 (五六間 )五八間より小さい。
一定の基準はないが、85×170cmくらい畳表は、五八間より大きくなると本間表の使用になります。